交通事故

交通事故による「むちうち」の後遺障害慰謝料と対応

交通事故被害による「むちうち(むちうち損傷)」により、加害者に対する賠償請求や、その前提となる後遺障害等級認定手続について解説します。

むちうちの症状

「むちうち(むちうち損傷)」は、事故の衝撃により首がムチのようにしなるほどの負担を受け、首の軟部組織(靭帯や関節包など)が損傷したことによって起こるしびれや痛みといった症状をいいます。診断名は「外傷性頚部症候群」や「頚椎捻挫」などが一般的です(「むちうち損傷」という診断名がつけられることはほとんどありません。)。

むちうちの症状は多彩で、痛みやしびれのほか、吐き気、頭痛、頭重感、めまい、緊張感、圧迫感、肩こり、耳鳴り、腰痛などがあります。また、これらの症状は時間の経過によって特徴が変わると言われています。
レントゲンやMRIなどで検査しても原因を確認できず、被害者の自己申告だけというケースは非常に多いです。そのため、被害者がむちうちを訴えても、「詐病」つまり仮病だと疑われることも珍しくありません。

このような理由から、むちうちとなった被害者は、保険会社から適切な賠償金を獲得するため、事故直後から適切な対応をする必要があるのです。

むちうちの賠償金

後遺障害の等級認定を受ける手続きは、① 加害者の自賠責保険会社に必要書類を提出し、② 損害保険料率算出機構が等級認定する、という流れになります。
なお、等級認定の申請は「事前認定」と呼ばれる加害者側の任意保険会社に任せる方法と、被害者自身が加害者の自賠責保険会社に行う「被害者請求」の2通りがあります。

ご自身で手続きをおこなうことは面倒ですが、当事務所は「被害者請求」をお勧めしています。
等級認定は主に書面審査ですので提出資料を事前にご自身で確認する、等級が認定された場合に支払われる保険金を示談前に受け取れるなどのメリットがあるからです。

むちうちの後遺障害が認定される場合、等級は次のいずれかになります(等級は1級から14級まであり、1級が一番重いです。)。

12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」 自賠責基準  94万円
裁判基準  290万円
14級9号「局部に神経症状を残すもの」 自賠責基準  32万円
裁判基準  110万円

交通事故の賠償金の計算方法には、① 自賠責基準、② 任意保険基準、③ 裁判基準、の3つの算定基準があります。① 自賠責基準は自賠責保険による最低限の賠償額です。② 任意保険基準は加害者の保険会社が独自に定めている賠償額ですが「裁判基準」より低額となっています。

③ 裁判基準は裁判所が使用する賠償額で、① 自賠責基準や② 任意保険基準より高額です。そのため、被害者が最も適切な賠償金を受けるには、③ 裁判基準に基づいて計算するのが通常です。たとえば、後遺障害慰謝料は、③ 裁判基準が① 自賠責基準の2倍以上となっています。

示談段階で、被害者本人が③ 裁判基準に基づいた賠償額を請求しても加害者の保険会社は取り合ってくれないことがほとんどですが、弁護士は裁判をしなくとも③ 裁判基準に基づいた賠償金を獲得できることが多いです。

ケガをした被害者が請求できる賠償金(人身損害)の項目は次のとおりです。

① 治療費、② 入院雑費、③ 交通費、④付添看護費、⑤ 将来の介護費、⑥ 装具・器具購入費等、⑦ 家屋改造費等、⑧ 文書料、⑨ 休業損害、⑩ 入通院慰謝料(傷害慰謝料)、⑪ 後遺障害逸失利益 、⑫ 後遺障害逸失利益

適切な賠償金を獲得するためには、これらの項目について漏れなく丁寧に計算する必要があります。被害者本人が加害者の保険会社から提示される賠償金の案内には、一部の項目そのものが抜けているケースも見られます。

むちうちと通院 [事故直後]

事故直後には、① レントゲンやMRIなどの検査を受けること、② 自覚している症状を細かく漏れのないよう医師に伝えること、をお勧めします。

むちうちの後遺障害等級のうち12級13号の認定を受けるためには、画像検査や神経学的検査で異常所見が認められる必要があります。たとえば、MRI画像によって神経圧迫が確認でき、圧迫されている神経の支配領域にしびれなどの異常がある場合です。そこで、まずはレントゲンやMRIなどの検査を受けて異常所見の有無を確認します。

レントゲンやMRIなどの検査によっても異常所見が認められないときは、14級9号の認定を受けられるか検討することになります。14級9号の判断要素には、「症状の訴えの連続性、一貫性」があると考えられますので、事故直後から自覚している症状を漏れなく医師に伝えるほうがよいのです。

むちうちを受傷した場合に大切なのは、① 適切な検査と十分な治療を受けること、② 医師に丁寧で正確な診断書を作成してもらうこと、です。そのためには信頼できる医師を見つけておかなければなりません。被害者のなかには医師から十分な対応を受けられず不利益を被ったと思われる方がいらっしゃるからです。

なお、整骨院・接骨院への通院には注意が必要です。医師の指示などの条件を満たさないと施術費の賠償を受けられないおそれがあるからです。また、後遺障害の等級認定を目指す場合は、整骨院・接骨院への通院が影響しないか検討すべきでしょう。

さらに、加害者の保険会社から、治療費打ち切りのプレッシャーをかけられたり、仕事中に何回も状況確認の電話をかけられたりと、保険会社の対応をすごく負担に感じる被害者は非常に多いです。中には、保険会社からの着信履歴を見ただけでじんましんが出たという方までいらっしゃいます。

当事務所では、ご依頼者様が安心して治療に専念できるよう「保険会社との対応全部の引き受け」「適切な後遺障害等級の認定を受けるための治療方針のアドバイス」などを行っています。

むちうちと後遺障害等級認定 [症状固定後]

通院を続けた結果「これ以上治療しても症状が改善しない。」という状態になったことを「症状固定」といいます。症状固定のタイミングは、主治医の意見が基本的に尊重されます。
後遺障害等級の申請は、症状固定後におこないます。

むちうちの後遺障害等級が認定される場合に該当するのは、12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」、14級9号「局部に神経症状を残すもの」のどちらかです。
しかし、14級9号は認定基準が明確と言い切れず、認定を受けるために工夫が必要な場合もあります。

そのため、交通事故被害の解決経験が豊富な弁護士に依頼することは、等級認定のノウハウを活かしたサポートを受けられる点でもメリットがあるといえます。 当事務所は、交通事故被害者専門でサポートしており、ノウハウを日々蓄積しています。

むちうちと保険会社対応 [交渉]

加害者の任意保険会社との対応で被害者の方が負担に感じるのは、多くの場合、次の点です。

  • (治療継続の不安)治療費打ち切りの通告
  • (精神的な負担)保険会社担当者の心無い対応
  • (賠償面での被害)低い賠償額の提示

保険会社の担当者は、交通事故のプロです。そこに一生に一度交通事故にあうかどうかの、知識や経験に乏しい被害者本人が交渉しても、圧倒的に不利なのは明らかです。

当事務所は、保険会社側の代理人経験をもつ弁護士が在籍しており保険会社側の事情に明るいだけでなく、被害者専門として事故直後からサポートをすることでノウハウを日々蓄積しています。
交通事故被害にあわれた方が十分な治療、適切な賠償額を受けられるよう、手間を惜しまずタフな交渉に臨んでいます。

むちうちの交通事故サポート

依頼後も安心の後遺障害等級認定のための手続代行や交渉・裁判手続までフルサポートをおこなっています。

治療に専念できる、安心して生活を送っていくことができるよう、親身な対応を心がけています。
交通事故被害者の方に特化した相談(初回無料)では、専門用語をできるだけ使わず、ご状況に応じた解決に向けての具体的なアドバイスをさせていただきます。
ぜひお気軽にご相談ください。

交通事故の解決の流れ

  • Step 1

    問題点を整理します。

    あなたの置かれている状況に応じて、問題点を整理します。

    交通事故直後から、無料相談をご利用いただけます。事故直後、通院、治療後、交渉のいずれの段階にあるのか、傷害の程度、交渉状況などを踏まえながら、問題点について一緒になって整理します。解決していくポイントを明確にすることで、気持ちが随分と楽になると思います。交通事故被害に遭われたら、早めに弁護士までご相談ください。

  • 法律相談
  • Step 2

    “具体的な解決”を知る

    しっかり個別事情に応じたアドバイス、具体的な解決策を提案します。

    1. ① ご事情、ご希望をお伺いします
    2. ② 解決すべき問題点を整理します
    3. ③ 具体的解決策をアドバイスします

    法律相談において、ご共有いただいた資料などをもとに弁護士が解決に向けた具体的なアドバイスをさせていただきます。もちろん、良いことばかりだけではなく「リスク」についてもしっかり説明させていただきます。

悩みや不安を解消するために、
しっかりアドバイス。

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弁護士だからこそアドバイス、サポートできる問題があります。一般の方において接することの少ない「感情の対立のあるトラブル」は、気持ちが疲れてしまうものです。普段からトラブル解決をおこなう弁護士に依頼することで日常に安心を取り戻すことができます。

身近で気軽に相談できる

オンライン・電話相談に対応

非対面による法律相談にも対応。もちろん、オンライン手続の進む裁判手続にも対応。早期の解決、適切な解決を目指して、代理活動を止めることなく、あなたとともに最後まで寄り添い、いつもの日常、新しいスタートをきることができるように努めます。

交渉から手続までサポート

手続負担を軽減します

弁護士は裁判業務だけではありません。あなたの代わりに希望や主張をおこなう代理交渉や、相続における口座解約などの遺産整理手続まで、身近なサポートもおこなっています。

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