自己破産は会社にバレる?仕事への影響とリスクへの対処法を徹底解説
借金問題
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1. 自己破産は会社にバレる?仕事への影響とリスクへの対処法を徹底解説
結論から言うと、原則として、自己破産をした事実が裁判所から勤務先に直接通知されることはありません。
しかし、例外的に債権者からの給与の差し押さえや退職金の調査など、会社が自己破産手続きに関与せざるを得ないケースも存在します。
そのため、自己破産を検討している場合は、「どのケースでバレるのか」を正確に理解し、まずは事前の対策が必要か検討しましょう。
本記事では、会社にバレる具体的な仕組みやリスク、自己破産で資格制限の影響を受ける仕事について徹底解説します。
正しい情報を知ることで、将来への不安を解消し、ご自身の生活再建に向けた適切な一歩を踏み出してください。
2. 自己破産をすると会社にバレる仕組みとは
自己破産の手続きにおいて、裁判所や弁護士が会社へ連絡を入れることは通常ありません。
しかし、手続きの過程で勤務先との「やり取り」が発生する以下の4つのケースでは、発覚のリスクが高まります。
2-1. 官報公告がきっかけでバレる可能性
自己破産の手続き開始決定や免責許可決定が出ると、国が発行する機関紙である「官報」に、破産者の氏名や住所、事件番号が掲載されます。
「会社の人に見られるのでは?」と心配される方が多いですが、一般企業の会社員が日常的に官報を隅々までチェックしていることは稀です。
官報は主に、信用情報機関、税務署、市区町村の税担当者、一部の金融業者が業務上確認することがあります。
ただし、以下のケースでは注意が必要です。
- ✅ 金融機関や不動産会社、警備会社など、業務の一環として官報を確認する企業や部署に勤めている場合。
- ✅ 官報をもとに破産者の個人情報が公開された場合
例:官報に掲載された住所・氏名をWEB上で公開していた「破産者マップ」(現在は閉鎖)のような類似WEBサイトが今後公開される可能性があります。
官報への掲載は破産法で定められたルールであり、これを拒否したり、名前を非公開にすることはできません。
しかし、一般的に会社の同僚などが偶然見つける可能性は非常に低いです。
2-2. 会社からの借入がある場合の注意点
現在勤めている会社から「社内貸付」や「給料の前借り」などの借り入れをしている場合、自己破産を会社に隠し通すことは不可能です。
この場合、手続き上、会社を「債権者」として裁判所に届け出る必要があります。
その結果、裁判所から会社宛に「破産手続開始通知書」などの書類が郵送されるため、会社は確実に事実を知ることになります。
なお、「会社にだけは迷惑をかけたくないから」といって、会社だけを整理の対象から外して返済を続けることは「偏頗弁済(へんぱべんさい)」という禁止行為です。
最悪の場合、免責(借金をゼロにすること)が許可されない原因となります。
自己破産には「債権者平等の原則」という絶対的なルールがあります。
すべての債権者(お金を貸している人・法人)を平等に扱わなければならないという決まりです。
そのため、偏頗弁済だけでなく、わざと債権者名簿から会社を外す行為も許されません。
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2-3. 退職金見込額証明書など勤務先に依頼する書類
自己破産手続きでは、現在の資産状況を正確に報告する必要があります。
原則として、一定の資産がある場合は換価処分の対象になり、それをもとに債権者へ配当をおこないます。
そのため、会社に一定の年数を勤めている場合、裁判所は「退職金見込額証明書」や「退職金規程」の提出を求めるのが一般的です。
勤務先の経理や総務担当者に退職金見込額証明書の発行を依頼する際、「なぜ必要なのか?」と理由を聞かれることがあります。
ここで正直に「自己破産のため」と答えてしまえば当然バレてしまいます。
会社に怪しまれずに証明書を入手するために、以下のような理由を用いることが一般的です。
- 「住宅ローンの審査で必要になった」
- 「保険の見直しやライフプランの計算で必要と言われた」
また、退職金見込額証明書の発行を会社に依頼するのが難しい場合、就業規則や退職金規程のコピーとご自身の勤続年数から計算書を作成することで、裁判所が代用を認めてくれるケースもあります。
この点は担当の弁護士とよく相談してください。
2-4. 給料差し押さえ・裁判所書類送付で発覚するケース
借金の滞納が続き、債権者(貸金業者など)から裁判を起こされると、最終的に「給料の差し押さえ」が行われる可能性があります。
給料の差し押さえは、債権者が裁判所を通じて会社(第三債務者)に対し、「従業員〇〇さんの給料の一部を、本人ではなく債権者に支払ってください」と請求する手続きです。
これにより、会社は裁判所からの命令を受け取るため、従業員の借金問題が特定されてしまいます。
重要なのは、「自己破産をしたから差し押さえられる」のではなく、「自己破産などの対策をせずに放置した結果、差し押さえられる」という点です。
むしろ、自己破産の申立を行い、裁判所から「開始決定」が出れば、新たな差し押さえはできなくなり、すでに行われている差し押さえも停止・失効させることができます。
つまり、会社への発覚を回避するためには、差し押さえが起きる前に、一刻も早く専門家に相談することが重要です。
3. 会社にバレたときの影響と対処法
万が一、官報や書類を通じて会社に自己破産が知られた場合、どのような問題が発生し、どのように対処すればよいのでしょうか。
「クビになるかもしれない」という恐怖はあるかもしれませんが、法的な観点からは、会社側が取れるアクションには制限があります。
3-1. 自己破産を理由に解雇される可能性はあるのか
結論から言えば、自己破産を理由とした解雇は、法律上認められません。
労働契約法第16条では、解雇には「客観的に合理的な理由」と「社会通念上の相当性」が必要であると定められています。
従業員が個人的に破産したことは、業務遂行能力とは直接関係がないため、正当な解雇理由にはなり得ません。
もし、「自己破産したから辞めてくれ」と退職を迫られたとしても、不当解雇に当たる可能性があるため安易に応じる必要はありません。
ただし、以下の点には注意が必要です。
3-2. 職場内での評価や立場が変わるリスク
同僚に詳細を説明する義務はありません。
ただ、噂が広がれば職場での居心地が悪化し、精神的なストレスを感じるリスクがあります。
また、経理や人事など金銭を管理する部署にいる場合、配置転換(異動)を命じられる可能性はあります。
これは会社側のリスク管理として一定の合理性が認められる場合があるからです。
4. 会社にバレるリスクを下げるための具体的な対策
可能な限り自己破産を周囲に知られないようにするには、早めの行動や適切な手続きの選択が重要です。
4-1. 弁護士・司法書士への早めの相談が重要
会社バレの最大のリスク要因である「給料の差し押さえ」や「会社への取り立て(電話や訪問)」を防ぐには、弁護士や司法書士に依頼し、債権者へ「受任通知」を送ってもらうことが最も効果的です。
受任通知が債権者に届いた時点で、貸金業法により、債権者は本人への直接の取り立てや連絡ができなくなります。
また、弁護士が窓口となるため、貸金業者以外の債権者からの直接の連絡もなくなります。
これにより、会社への電話連絡などの迷惑行為を即座にストップできます。
また、専門家のサポートを受けることで、退職金証明書の取得方法や、会社にバレないための書類作成のアドバイスを受けることができます。
4-2. 任意整理や個人再生との比較で検討する
どうしても「官報への掲載」や「資格制限」を避けたい場合、自己破産以外の債務整理も検討の余地があります。
ご自身の借金総額、収入、資産状況によって最適な方法は異なります。
士業などの専門家と相談し、シミュレーションを行うことが大切です。
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5. 自己破産後の仕事・転職への影響
自己破産後も働き続けるうえで気をつけたいポイントや、転職時に影響するケースについて解説します。
5-1. 資格制限のある職業はどうなる?
自己破産の手続き開始から免責許可決定が確定するまでの間、特定の職業に就くことが法律で制限されます。
これを「資格制限」と呼びます。
もし現在これらの仕事に就いている場合、手続き期間中は業務を行えなくなるため、会社に報告して一時的に部署異動をしてもらうか、休職するなどの対応が必要になります(これがきっかけで会社にバレることになります)。
ただし、これは「一生できない」わけではありません。
免責許可が決定し、確定すれば「復権」し、再びその資格を使って働くことができます。
個人の方の自己破産手続きは、裁判所の判断により「同時廃止事件」「管財事件」に分かれます。
簡易な手続きである「同時廃止事件」の場合、解決までに通常3〜6ヶ月程度。
破産管財人が選任され、調査、換価処分、配当手続きなどが行われる「管財事件」では、解決までに6ヶ月~1年以上の期間がかかります。
この期間は、職業制限を受けることになります。
弁護士において、同時廃止事件、管財事件になるかの見立てをおこなうことも可能です。
職業制限の期間が心配な方は、事前に法律相談を受けておくと安心です。
5-2. 転職や就職活動で自己破産がバレる可能性
自己破産後に転職活動をする際、「履歴書に賞罰として書く必要があるのか?」と悩む方がいますが、記載する義務はありません。
自己破産は刑罰ではないため、賞罰欄に書かなくても経歴詐称にはなりません。
また、通常の一般企業が採用選考で応募者の破産歴を調査すること(身辺調査)は、ほとんど行われません。
したがって、転職が極端に難しくなることはないと考えて良いでしょう。
例外として、職業制限を受ける企業や職種への就職・転職では、信用情報の確認や官報情報のチェックが行われる可能性があります。
6. よくある質問(Q&A)
自己破産に関して読者の方から寄せられる代表的な疑問点をまとめました。
Q: 自己破産すると家族に絶対知られてしまいますか?
A: 家族と同居している場合、家計全体の収支報告などが必要になるため、内緒で進めることが難しいケースもあります。
また、家族が保証人になっている借金がある場合、本人が破産すると保証人に一括請求が行くため、隠すことはできません。
逆に、「一人暮らしで家計は別で、家族が保証人にもなっていない」場合は、実家の両親などに知られずに手続きできる可能性は十分にあります。
Q: 自己破産後のクレジットカードはいつから作れますか?
A: 破産手続き後、信用情報機関(いわゆるブラックリスト)に事故情報が登録されるため、5年〜7年程度の期間は、新規のクレジットカード作成やローンの審査に通るのが難しくなります。
7. まとめ
自己破産と会社バレの問題について要点を振り返ります。
借金問題で最も怖いのは、「会社にバレたくない」と悩んでいる間に事態が悪化し、債権者からの給料の差し押さえが起きて強制的にバレてしまうことです。
早めに弁護士や司法書士へ相談し、適切な債務整理方法(自己破産だけでなく任意整理なども含めて)を選択することで、会社バレのリスクを最小限に抑えながら、借金の負担から解放される道は必ず見つかります。
古山綜合法律事務所では、借金問題について無料相談(初回・来所)を実施しています。
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ご事情を丁寧にお伺いし、解決までの見通しについてアドバイス致します。
悩みを一人で抱え込まず、まずは専門家へ相談し、再出発への第一歩を踏み出してください。
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